海へのバスが今日もゆく。
時速5キロの上り坂、ゆっくりと森の中をくぐっていく。

丘をあがる。海が見える。

最近早起きなのは誰もいない海が好きやから。

おぅ、今日はバーベーキューかい!

「今日は海老のガーリック揚げです。」とKAIくん。

ここでサーフショップとお土産屋を開くミサコさんとコスタリカ人のTIGRE
(あだ名。虎の意)の息子。3歳。

まってましたぁー!と群がる野郎たち。ここにきて人数が一時的に3倍
になる。
写真を撮り終えると、キレーになんものこっとらへんかった。
ああぁぁあぁん!?!?!?あぁん!?←怒る声ね
そんな感じで毎日ビーチの中央、このミサコさん一家のサーフショップ
「KAI」を中心に毎日おっきな子供たちとワイワイやっとんねん。
サーフィンのほうは「楽しめるようになるまで1年かかるらしいけど
やるよ。おれやっちゃうよ。」的なコメントをサルバドールらへんでしてた
けど、えーと、この場でなかったこととします。よいね?
もうなー、めちゃムズい。
楽しいのは今もめちゃめちゃ楽しいで!
やけど思ってたほどあまなかったわ。
毎日波に揉まれてると少しずつ成長は見えてきて、今ならまったく初
めての人になら、教えれるようにはなった。
そんなある日。
いつもどおり早起きして海に行くと人の少ないビーチでなにやらKAIの
回りだけ慌しい様子。
見ると、8人のグループがレッスンを受けるようで、でも講師が一人し
かおらん。三人はつくはずやのに。
TIGRE「オハヨウオハヨウ!グループのレッスンが入ったんだ!手伝っ
てくれ!できる。おまえならできる!」
おれ「モハメ(KAIで働く講師)は?」
TIGRE「知らん!」
っちゅーことでコスタリカ人講師に混じってレッスンを手伝ったり。
遅れてきたモハメは「すまんシン!昨夜は女の子と遊んでたんだ。」
と全然言い訳にならんことをヌカす。
普段の言動からするとまぁおよそ嘘やろう、とか思いながら。
最近は仲のいいやつも増えてきて、ボードを棚に並べるのを手伝っ
たり、カヤックのそばで話したり、お土産屋の店番したり、ビーチ通いが
どんどん楽しくなってきた。
そんな、今日。
いつも通りはやくに家を出ると、ビーチの入り口の道で警察が現場に
張るあのお決まりの黄色いテープが道をふさいでる。
「ここからは車両は通れない。」
わけもわからず歩いてKAIに向かうといつも来てるはずのミサコさん
たちがおらへん。
というか、ビーチ自体にまず誰もおらん。ビーチ沿いの路上に延々と
並ぶお土産屋の熱気が今日はまったくない。
いるのはただ警察、警察、警察…
着くと、いつもボードを立てかけてた竹の柵がすべて根元から折れ
てた。
満潮にやられたんや、いや、潮の満ち干きではおれんやろう、
でかい波か…
考えてるうちに遠くにミサコさんがいた。
「おー探したよシン!またきたよ、やんなっちゃうよ。」
「津波でも来たんですか?」とおれ。
「警察よ。」ミサコさんは物慣れた顔で言う。
1、2年に一回、こうやってビーチで営業をしてる店をつぶしに来る
らしい。
許可証を所持してないから不法営業にあたると。
申請したところで許可はおりへんのは明らか。
とりあえずボードだけミサコさんから渡してもらったおれはいつも
の場所へ向かった。
途中、ブルドーザーが竹でつくったビーチのあずま屋につっこんでく
のが見える。
おいおいそこはサーファーとガキのたまり場やんけ…
別にそれを見て泣き叫ぶ親子がいるとかそんな切迫さは見えず、
いつもの面子はやるかたなしにプラプラしたり、酒を飲んでたりして
た。
(まぁ、せやな。)と
いつもの場所に戻ると顔見知りの何人かがたまってたからそいつらと
とりあえず海を眺める。やることもない。
(何のためにこんなことやっとんねん)
異常に見通しのよくなった海に欧米からの観光客だけがぽつぽつ
はいってる。
ビーチが、死んでた。
「これいつんなったら終わんねん?いつまで警察はのこんねん?」
ミサコさんに聞いたのと同じ内容を聞いてみた。
「こんなもん2、3日だ。ちょっとした休暇みたいなもんよ!」
こっちの人はいつも希望的観測でものを言う。
ミサコさんが言うには、少なくて2、3週、長ければ今回は2ヶ月
もありえるらしい。
ぼけが、おもんない。
なんや海に入る気も起きず、今日はそのまま帰ってきた。
あのワイワイがないとビーチ来た感じせんやんけ。
うっとおしいコンニチワコンニチワおじさんもおらへんやんけ。
まぁけっこう何が仕事かわからんプータローもおるからそういう
やつらは来ててほしいな。
明日からどうなんかなぁ。
ちらっとここをでることも浮かんだけど、最近はおれも楽観的なとこ
だいぶ感化されたようで、何とかなりそうな気がしてるからなんや
かんや残るやろ。
それに、最近ケポスにただ一人住む日本人の人から大量に本貸して
もうたんよ!それがだいぶのこってる。
高校生以来のハイペースで読んでるわ。そういや大学入ってから
小説を読む機会がへったもんやな。
母さんが「あんた本読んどったら人間的にアホな人にはならんから読
んどき!」
言われてから読み始めた本。
おれも将来それだけはビシッと子供に言ったらなあかん。
それと、
『書を捨てよ、町へ出よう。』
これもまた一つの理。